世界文化遺産の教会

「旅する長崎学」【6】

キリシタン文化 別冊総集編

2018年「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は世界文化遺産に登録されました。
1549年,フランシスコ・ザビエルによって日本に伝えられたキリスト教。長崎は「日本の小ローマ」とよばれるほどキリシタン文化が栄えましたが,禁教政策によって迫害や殉教がおこり,信徒たちは,250年以上もの長い間,潜伏して信仰を守り続けました。

表紙 波乱万丈・長崎のキリスト教史

現在,長崎県にあるカトリック教会は130あまりで,日本の全教会の1割を超える。どの教会にも,禁教と迫害の歴史をくぐりぬけて復活した信徒たちの喜びが込められ,訪れる人々に感動を与えている。長崎のキリスト教の歴史は,1550年に平戸を訪れたフランシスコ・ザビエルの布教にはじまり,16世紀後半,長崎は日本の「小ローマ」といわれるほどキリシタン文化が開いた。


教会は信仰の汗と涙の結晶

キリスト教の信仰が黙認されるようになって,まず信徒たちが熱望したのは,祈りの場である教会を建てることだった。貧しい生活を受けて,手づくりの教会を建てはじめた。木造の教会,石組みの教会,そしてレンガ造りの教会。信徒たちは,教会建築への労働奉仕を惜しまなかった。木材や石材を切り出し,レンガを焼いた。信徒の思いが各地に建ったのである。なかでも鉄川与助は,仏教徒でありながら,50棟近い教会を手がけた。フランス人ド・ロ神父らの指導をうけた鉄川は,西洋の建築技法を学び,和と洋が融合した教会を残した。長崎の教会は海と山に囲まれた自然の風景にとけこみ,いまも歴史の息吹を伝えている。

(「旅する長崎学」【6】より