うきは・田主丸散策(H21.9)

平成21年9月初め。
九州国立博物館で開催された阿修羅展へ出かけた。

今回の旅のスケジュールは、
1日目:阿修羅展、原鶴温泉宿泊。
2日目:白壁の町吉井町散策、巨峰で有名な田主丸散策。

長崎を朝早く出発し、渋滞を予想してJR二日市駅近くの駐車場に車を停め、駅からタクシーで九州国立博物館へ向かう。

万全のはずだったが、既に九州国立博物館は長蛇の列。
さすがに、話題の阿修羅展。
夏休みを避け、平日を狙ったのだが甘かった。

長いトンネル通路の一番端っこが最後尾。
本当は、1日目に阿修羅展の後にコストコへ行く予定だったが、早々に予定が崩れてしまった。

ようやく九州国立博物館が見えてきた。
とにかく人が多い。

ツアー客なのか、老人がやたら多い。
9月初めの炎天下、老人は暑さを感じにくいのか、元気だ。
数人だが、平気で列に割り込んでいく老人がいた。
最近は、若者よりも老人のマナーが悪い。

120分待ち。

ここに来る前に、おにぎりを食べていて良かった。
この状態で、空腹だったら倒れていたかも。

ようやく建物の中に入ったが、入場制限のため待機。

新型インフルエンザもなんのその。
炎天下、120分並ぶ元気がある人たちには、新型インフルエンザなんか怖くない。

120分待った阿修羅展だったが、40分ほどで見てしまった。
待ち時間の方が多かった。
そんなものだろう。

いつもの展示よりも、展示された資料が少なかったように思った。
しかし、さすがに興福寺。見応えがあるものばかりだった。

常設展示室では、長崎・興福寺の仏像が企画展示されていた。
長崎・興福寺は1620年建立の黄檗宗の唐寺である。
仏像も中国の様式に則って造られている。
これまで何も感じることなく普通に見てきた仏像であったが、阿修羅展の後に見ると、良い意味で強烈な違和感を受けた。
こうやって比較して見ることで、改めて長崎に残る中国文化の魅力を感じることが出来た。
これは、思わぬ収穫であった。

太宰府天満宮で、いろんな試験の合格祈願。
困ったときは、神頼み。
頼れるものは、何でも頼っておこう。

目が黒い狛犬を発見。
ちょっと不気味だが、慣れると可愛い。

参道を抜けて、西鉄太宰府駅へ。
梅が枝餅を買って、タクシーでJR二日市駅へ向かう。

参道は、多くの人で賑わっていた。
阿修羅展効果も大きいだろう。

JR二日市駅から原鶴温泉へ。
高速道路は平日だから使わず、一般道路で移動した。

本日の宿は、原鶴温泉の山の上にある「ビューホテル平成」。

駐車場に車を停めると、すぐにホテルの人が近づいてきた。
ロビーのラウンジに案内され、そこでチェックインの手続き。
抹茶のサービスもあり、気持ちの良い応対であった。

和室と洋室が一部屋ずつあって広い。
しかも清潔感があって、良い。
料理も美味しかった。

肝心の温泉も露天風呂と大浴場があり、どちらも良かった。
泉質も滑らかで、湯船も広く、洗い場も綺麗だった。

こうして、1日目は終了。
阿修羅展で疲れたためか、嫁は恐ろしい夢を見て、うなされていた。
可哀想に。


このホテル最大の魅力は、筑後平野を見下ろす眺望。
部屋からも露天風呂からも見渡すことが出来る。

香山昇龍大観音。
ホテルからすぐのところにある。

山頂に観音像が立っていることは知っていたが、実際に正面から見るのは初めて。
朝早くから多くの人が訪れていたが、何となく近寄りがたい雰囲気。

観音像には近寄らず、展望台から筑後平野を眺める。
こちらは、大分・日田方面。

山を降りて、川沿いに日田方面へ向かう。
道に迷いながらも、「道の駅うきは」に到着。

日本でも有数の売り上げを誇る人気の道の駅だけあって、朝早くから多くの人で賑わっていた。
長崎には、こういう道の駅がないので、とても羨ましい。
ここでは、「梨」と「無花果」を購入。
無花果は美味しかったが、梨は好みと合わなかった。
梨も種類が多いので、好みは分かれるところ。

買い物の後、白壁の町吉井町へ。
実は、3ヶ月ほど前、九州観光推進機構主催の第13回『観光まちづくりネットワーク九州』に参加した際に、ここ吉井町や田主丸を観光した。
その際に、長崎にはない風景に感動し、もう一度ゆっくり観光したい、嫁や母にも見せてやりたいと思ったので、今回旅することとなった。

ここ吉井町には、白壁の建物が多く残っている。
最近、佐賀県塩田宿、浜宿など、伝統的建造物群を見てきたが、保存状態や活用状況で、吉井町の街並みは群を抜いて充実している。

第13回『観光まちづくりネットワーク九州』でも話があったが、吉井町のまちづくりの取り組みは先駆的であり、新潟県村上市の景観を統一したまちづくり、地域振興の取り組みにも大きな影響を与えたそうだ。

吉井町では、おひなさま祭りが有名で、多くの人で賑わう。
豊後街道沿いで繁栄した町屋に残る貴重なお雛様を見られる機会であるので、ぜひ祭りの時期にも訪れたいものだ。

素盞鳴神社。
赤い社殿が美しい。

鏡田屋敷。
途中にあった居蔵の館とともに、公開している町屋建造物。
ガイドさんが見所を分かりやすく説明してくださる。
やはり、ガイドさんの存在は大きい。

鏡田屋敷の2階から隣に建つ寺院を望む。
瓦屋根が重なり合い、美しい曲線を作っている。

鏡田屋敷は、かつては官舎だったとのこと。
取り壊して駐車場になるところを免れたそうだ。

大事に保存されている建物も、これまで取り壊される危機に何度も遭ったことであろう。
新しいものを造るのではなく、古いものを大事にする。
やがて、それがその町の個性となり、魅力となる。
景観を守るのも同じこと。
そのためには、そこに住む人たちの高い意識が必要となる。

吉井町には、昔から残る建物を利用した雑貨屋や食堂、パン屋などが、多数ある。
しかも、各店のレベルが高く、人気の店も多い。
遠く東京から客が来るという雑貨屋もあるそうだ。

思ったよりも範囲が広く、今回も全てを回ることは出来なかった。
またの機会に、ゆっくりじっくり見物したいと思う。

景観を重視するのであれば、電線の地中化も必要。
こうやって見ると、道路標識も邪魔だ。

国道210号の両脇に、土蔵が並ぶ。
道路拡張などで壊される危機はなかったのだろうか。
ここまで残っているのは、奇跡だと思う。
かつては、この通りには蒸気機関車が走っていたそうだ。

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