オーディオ的に聴くバロックコンサート

■経緯

B&WのNautilus804のネットワーク改造行っていますが、目指すは原音再生。生楽器の音を覚えるためにクラッシックコンサートに通っていますが、初めてバロックコンサートを聴くこととなりました。

■コンサート会場〜楽器

コンサートは2002年1月、会場は長崎市内にある旧香港上海銀行長崎支店記念館で、グラバー園の近く。使われる楽器はフルート、バイオリン、ハンマーフリューゲル(ピアノの元祖)、チェロです。

■ハンマーフリューゲル

18世紀初頭に作られピアノの原型となるもので、ピアノの正式名称はピアノフォルテ。チェンバロは弦を引っかいて音を出すので強弱が出ない、そこで音の強弱が出せるハンマーフリューゲルが作られたそうです。またハンマーで弦を打つ、楽器の形状が鳥の翼(ドイツ語でフリューゲル)に似ていることから、ハンマーフリューゲルと呼ばれたとの事。調べるほどに、知るほどに興味が湧いてきます。画像は撮影の許可を頂いて撮ったものです。

■演奏(音)

照明はほんのり明るくセピアカラーで趣のある雰囲気、最前列で聴くので各楽器の細かな表現が良く分かります。バッハ、モーツァルト、ベートーベンの曲が演奏されました。
フルートは柔らかな音で息遣いも聞こえます。バイオリンはやや耳障り、以前目の前で聞いたときと同じです。チェロも柔らかな響きで低域は床から振動が伝わってきます。

ハンマーフリューゲルはピアノを少し柔らかくした感じでp〜ppの繊細さは良いものがあります。中〜高域の弦に帯状のフェルトが挟んであります、ミュートのためでしょうか。またペダルはありませんが、聞くところによると肘でペダル代わりの操作を行っているそうです。女性演奏家は時折にこやかな笑顔、聴くほうも楽しく聞きたいなと思いました。

目を閉じ聞き入ると楽器の音像が良く分かります。自宅の改造Nautilus804は音の出る雰囲気、消え入る雰囲気が良く出るようになりましたが、楽器の柔らかく芯のある音が上手く再生できません。チューニング指針が見えてきたようです。

ホールで聞くコンサートはホールの音を聴いている感じですが、小空間で聞く演奏は良いものがあります。ホールだと演奏者の動きの後に音が到達して変な感じですが、今回の演奏はリアルタイムに音が到達します。

 

演奏の開始前、休憩時間にはハンマーフリューゲルの調律を行っていました。かなりデリケートな楽器の様です。ハンマーフリューゲルの女性演奏家は地元の学校の先生、これからも時々演奏を聞くことができそうなので楽しみです。

下半身は寒さで冷たく、上半身は興奮で熱く...寒い会場でした。バロック時代のコンサートも寒さに耐えながら演奏〜聞き入っていたのでしょうか。流石に現代のハンマーフリューゲルはロウソク立てがありませんでした ^^;

縁遠いと思っていたバロック音楽も演奏会を聴いて好きになりました。自宅オーディオ機器チューニングのためクラッシックコンサートに通っていますが、病みつきになりそうです。
あとはチェンバロの生演奏が聴きたいところです。

2002.1.12 t.shiroyama