パソコンCD-RWの改造

パソコンのCD-RWで音楽CDを焼いていますが、CD-RWの電源強化で改善を確かめることができました。今回は据置型CDPと同様に本格的な改造を行いました。
CD-RWはメルコブランドのPLEXTER/PX-320Aです。メカベースは2o位の鉄板プレスでズッシリと重く一昔前の据置型CDPと同じ作り、スピンドルモータのシャフトも3oと太く頼もしい限りです。スレッドも2本のシャフトを軸として移動します。メカ系は普及型CDP、CD-RWと比べ凝った作りでとなっています。

改造するとメーカの補償を受けることができません、個人の責任で改造となります。

■シャーシの防振対策
CD-RWドライブユニットの鉄シャーシに鉛シートを貼り付けました。

■TTL系にOSコン追加
5V電源はCD-RW内臓のDC/DCコンバータで3V、5Vに変換され各ICに供給されています。LSI近くのパスコンに100〜390μFのOSコンを総計2,000μF以上追加しました。3VLSIが載っているので時代の流れを感じます。この時点でCDを焼いてみると解像度がupしているのが分かります。

■メカ系に電解コンデンサ追加
スレッドモータにはロータリーエンコーダが付いています。スピンドルモータもPCBパターンを見るとロータリーエンコーダが内臓されているようです。2個のメカ駆動ICには2,200μFを追加しました。コンデンサは大きいので両面テープで基盤に固定しています。ここでCDを焼いてみると音の木目が細かく低域が締まります。低域は何処までも延びている様です。据置CDPのメカ改造時と同じ変化です。

■結果
常用システム(CDP:TEAC・VRDS−25X改造品、アンプ:satri改造品、SP:Nautilus804改造品)でじっくりと試聴です。
市販音楽CDを焼きなおしても殆ど音の変化は分かりません。怪しげな輸入CD、格安CDを焼くと音が良くなる(解像度up、歪感低減、エコーの分離など)ものがあり思わずニンマリです。市販CDと言えどもマスタCD製造工程のジッタ−が悪さをしているのでしょうか。

■DAC、アナログ周りの電源強化
DACと思われるIC、アナログ出力IC、ヘッドフォンアンプに電解コンデンサを盛ってみました。アナログ出力、ヘッドフォン出力を常用システムに入力しましたが1ビット系と思われる雑な音です、CD-RWの限界でしょうか。但し普及型据置CDPでは聴くことができないエネルギー感が少し出てきます。

■更に電源強化

電源ラインは5V、12Vの2系統ありますが各5,000μFのコンデンサを付けていました。ここで5V系を40,000μF、12V系を90,000μFに増やしました。バラックで組んだので綺麗に作り直す予定です。
CD−RW基板(裏側)にもコンデンサを追加し電解コンデンサ/10,000μF、OSコン/3,000μF以上となりました。

■大きな変化
市販音楽CD(オリジナル)を越えた様です。オリジナルCDは平べったい音像ですが、焼いたCDは解像度が増し音像の彫りが深く木目細かな音です。ギター、ハープ、リュート、コントラバス(ベース)の弦を爪弾く際の音程の変化、スタジオ録音の短いエコーも良く分かります。声楽も良く声が通り、JAZZのドラムスはタム、スネア等のマイク距離の違いが明確です。
CDを焼く速度はx4(4倍速)で音のバランスが整います。x1で焼くと解像度が目立ちx8で焼くとオリジナルCDの様に薄いベールが被ってしまいます。改造が進むに従いCD製造メーカの違いによる変化は少なくなりました。
唯一の悩みはバイオリンの倍音が前に出る事。録音風景を見るとバイオリン〜マイク距離は2m位、斜め上にセッティングされているのできつい音が録音されているようです。
何枚か焼き直したところ、初期のPCM録音はバイオリンが騒がしくなるようです。CDプレス後の音を想定してか、デジタル録音技術が未熟だったのか分かりませんが。
毎月小ホールのクラッシックコンサートに通っていますが、自宅でもコンサートに近い音が再現できたかな?

一連の改造による音の変化は据置CDP改造と同じ、まだまだ電解コンデンサを奮発したい気分です。

2003/1/5 t.shiroyama
update 2003/1/12、1/16