第6回 九州例会
6回例会が2003年1月25日(土)崇城大学(熊本)で開かれました。前回の例会から日も浅く集まりが悪いかと思っていましたが参加者14名。
「手作りアンプの会」の重鎮4名(関東)が参加された刺激ある例会となりました。今回はスピーカの銘器HS−400(日立)の持ち込みが予定されていましたが、都合により中止となり残念でした。
今回より課題曲+自由曲を用意しました。課題曲はチェンバロ協奏曲、JAZZギター+ピアノトリオ、ソプラノ(鮫島有美子)の3曲です。また使用スピーカを明記していないものは堤田さんのQTWTを使用し、パワーに余裕があるものはB&W・改造Nautilus804(城山)を使って頂きました。
堤田さん(福岡) |
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田川さん(福岡) |
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竹石さん(福岡) ● UHC−MOSFET・PP(初段球、ドレイン出力) 前回と同じですがNFBを掛けられたとのこと ・華やかな音、中域の個性 声楽はすんなりと鳴りましたが少し歪が多いようでした |
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深堀さん(福岡) ●OPアンプ+TrA級PP(温度補償無し)+SW電源 ・素直な低域 ・SW電源特有の低域の延びがやや不足 お得意のSW電源アンプです。OPアンプとTrはリサイクルショップで買ったジャンク品から抜き取り、ご自宅では「ゴミアンプ」と呼ばれているそうです ^^; 毎回ワイルドな外観が良いですね |
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鵜池さん(熊本) ●Satriアンプ(ヘッドフォン用、7〜8W) Trダイヤモンドバッファ+Satri-IC+FET・PP ・素直でややソフトフォーカス ケースは古い市販品を流用しています。 日頃聴きなれているSatriアンプとは少し異なった音です、回路構成、電源+電解コンデンサ容量の差でしょうか |
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岸田さん(熊本) ●Satriアンプ+B&W FETバッファ+Satri-IC+カレントミラー+エミッタフォロワ+FET・PP(2パラ) ・パワフル ・キックドラム、ベースの分離が良い ・ソプラノの体の響きが良く分かる モノ構成、電源トランス容量は1KVAを越えるド迫力。何れの曲も難なく鳴らしていました。 城山のSatriアンプと殆ど同じ回路構成ですが、電解コンデンサは一般的な容量で少し音が異なっていました。 B&W横のTQWTが盛大に共鳴し中〜低域を濁したのが残念! ●EL12N差動出力+TQWT ・さらリ、すっきりした音 ・低域がソフト 金田アンプも持参されていましたが、時間の都合で聴くことができませんでした |
宮崎さん(福岡) ●12AX7WT(ロシア)+6CK4シングル NFB≒6dB、出力3W、整流管5AR4(ロシア)、タムラOPT・F475 ・ウエルバランス 評価が高かったアンプです。宮崎さんは毎回良い音を出すアンプを持ちこまれます |
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中山さん(熊本) ●電流正帰還2wayシステム ウーハ/ツィータはブリッジ検出型のMFBをかけ2chマルチアンプ(50Wx4 Tr式)構成。 ・W:フォステクスFW208N ・TW:フォステクスFT48D ・スーパーTW:パイオニアリボン、コンデンサ1個で接続 ・静寂感 ・ソプラノが良い 前回は調整中との事でしたが今回は調整終了。 MFBを掛けているTWにスーパーTWを接続した影響か、変な鳴りをする時がありました。SP後のTQWTはあまり共鳴しません、エネルギーが少ないのでしょうか? また何かリミッタが掛かったような詰まった感じを受けました。 |
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多賀さん(関東) ●6CA7超三アンプ (2SK163+2SC1775A)+12X7+6CA7 シャーシは何とアルミ製のフライパン!、通電時に盛大にパチッと火花を発した注目度No.1のアンプです。 吊り下げ位置を取っ手穴からリング(右画像)に変えるとソプラノがすっきり、皆さん唖然... (インシュレータと考えて良さそうですが) また2,200μFの大きなブロック電解コンデンサが付いています。 ●大沢式電流出力アンプ 「ラジオ技術」誌記事のコピーとの事。設計者・大沢さん自ら回路の説明がありました。SPを飛ばす可能性があるとの事でTW類は外しての試聴です。ケース〜足は米松合板を使用。 −−−−− 両アンプとも少し暴れ気味のTQWTを上手く押さえ込んで鳴らしていました。インピーダンスが暴れるSPと相性が良いのでしょうか。 各曲の聞かせ所〜泣かせ所を押さえ、手堅く纏められたアンプです。フルレンジSP特有の中域歪も目立ちません。 |
宇多さん(関東) ●6AC5GT準超三アンプ P−G NFB併用 (”P-G NFB'ed direct driver" driven amp.) 多賀さんアンプ同様に手堅く纏められたアンプ、電源は別筐体に納めたものです。 |
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CDP比較試聴 |
今回は振動(共振)・反射を徹底的に排したNautilus804と共鳴を積極的に利用したTQWTとの面白い組み合わせとなりました。超三アンプ、電流出力アンプを今回初めて聴かれた方が多く、関東のお客様との刺激的な交流と合わせ有意義な例会となりました。
皆さん音出しで熱くなり音量が上がります、生楽器〜声量に合わせ音量を調整しましょう。チェンバロは繊細さばかりが強調されますが、弦を引っかく際の強く硬い音、胴の響き、超低域の延びなど一般概念とは異なる音です。自由曲でパイプオルガンが鳴っていましたが、これも鍵盤(ペダル)を離した際の音の消え方、パイプの倍音、オルガンによってはリードの倍音など細かな音が沢山聞こえてきます。機会があれば是非生楽器の音、声楽を聴きましょう。
関東のお客様より出展アンプのコンデンサ容量が少ないとのコメントがありました。電源等の電解コンデンサ容量を大きくすると、低域改善の他に音の厚みや雰囲気が出てきます。私の改造Satriアンプ(左右個別整流)も40万μF載せています。
例会運用のアドバイスも頂きましたので、次回より反映したいと思います。
2003.2.2 城山