6CA7/EL34超三アンプ

 

ミニSPを鳴らすのに6V6超三ではややパワー不足、出力アップを狙い作りました。回路は手作りアンプの会 宇多さん高橋さんのホームページを参考にさせて頂きました。

先ずは 2000年夏・九州大会に参加しました。大会の後田村さんアンプの借用ができましたので、自宅で聞き比べると田村さんアンプは高域が抜けます。私のアンプは詰まり気味で終段球の銘柄、部品を交換し改善を計りました。その後2000年夏・お寺コンサートにアンプのみ参加し、幸運にもEL34部門で二位入賞することができました。

以下2枚の写真は 牧原さんがお寺コンサートで写されたものを提供して頂きました、有り難うございます。

出番待ちでしょうか、各アンプに火が灯っています。

■シャーシ

タカチのOSシリーズを使いました。概ねW200xH70xD400oと大きいのですが、所々込み合っています。トランスはシャーシ内に組み込んでいます、何処に取り付けようかと随分悩みました。また6CA7を落とし込むので大穴を開けます、ホールソーで抜いてヤスリで穴を広げました。球まわりの小穴はアンプが完成した後に加工、大変でした。

■終段カソード抵抗

>20W巻線抵抗器を購入しました。放熱を期待し固定金具は2o厚アルミチャネルから切り出し、シャーシ側板に固定しました。パスコンは電解コンデンサの他、SPネットワーク用4.7μFをパラ接続。10μFはシャーシに収まらず断念、フイルムコンはおまじないです。

■冷却ファン

入手容易なパソコン用12V小型ファンを底板に取り付けました(ファイルベイ取付用3連ファンを流用)。ON−OFF−ONのトグルSWを使い高速−停止−低速と切替可能です。低速時は整流ダイオードを2個シリーズに入れています。ファンは低電圧で回すと風切り音が静か、両面テープで固定するとメカ音が小さく、鉛テープも貼っています。

左端:初段まわりのユニバーサル基板

   黒いものは終段カソード抵抗

中央:出力トランス4個、

   電源部プリント基板

右端:上よりブロックコンデンサ2個、

   高耐圧フイルムコンデンサ

   電源放電用ホーロー抵抗

下端:冷却ファン

■初段スクリーングリッド電源

初めは別電源で供給しましたが具合が悪く、超三標準の終段カソードに繋ぎました。

■電源部

両面プリント基板(ジャンク)を使いダイオード、コンデンサを載せました。。銅箔はカッターでキズを入れ不要部分を剥がすとできあがり、カッターでトリミングするので細かいパターンは作れません。簡単なICアンプはこの方法でいくつか作りました。電源トランスは背高ノッポですが細長いシャーシ+巨大コンデンサとマッチングし、程々の見栄えとなりました。AC100V電源引き込みはインレット(2Pアース付き)を使用。(正式名称が分かりません、パソコン電源ケーブルと同じです)

■初段まわり

両面スルーホールのユニバーサル基板を切り出し、カソード抵抗、半固定ボリウム、帰還FET等を組み付けます。半固定ボリウムはシャーシ上面から調整可能です。

■6CA7

左からTESLA、VALE ART(china)、松下、

残念ながら松下は1本だけ。

6CA7と呼ぶのが好きです。

昔はEL名なんて知りませんでした。

■サブシャーシ

6CA7は放熱を期待しサブシャーシに取り付けました。サブシャーシはお古のケースから取った3oアルミパネル、切断は卓上糸ノコ盤、球ソケットの穴はホールソーで抜きました。球ソケットは古いシューター製でタイト部分と取り付けフランジにガタがあり、10時間硬化のエポキシ接着剤で固めています。

■ネジ

見栄えが良いようトラス(ナベ)型SUS(ステンレス)ネジを使用、ホームセンターに数百本入りが千〜二千円で売っています。SUSのスプリングワッシャ、ナットもまとめて買うとお得です。

■小物部品

>殆ど手持ち品で済ませ、新旧ブランド品が入り乱れています。大きな高圧電解コンデンサは地元パーツ屋さんに偶然あったもので高価でした。コンデンサーの取付金具はスプレーで黒く塗り、見栄えを良くしました。現物を手にするとズッシリと重く、良い音が期待できそうです。アンプ足は古いCDプレーヤから外したものです。アンプ上面の取っ手はアンプの重心と合い、傾くことなく運搬できます。

■主要部品

電源トランス

ノグチトランス PMC131

出力トランス

東栄1200 パラ

初段

6AU6、“SEARS”ロゴ入り国産ですが出所不明

帰還管

12AT7

終段

6CA7/EL34

電源用コンデンサ

合計 約3,700μF、フイルムコンをパラ接続

冷却ファン

ヒータ電源倍電圧+3端子レギュレータから供給

電源コンデンサ放電

電源SW・OFF時に3kΩ20Wで放電

スピーカ端子

スピーカBOX用の万力型を流用

配置図

回路図

■結果

シャーシは大きのですが終段カソード抵抗まわりが熱くなり、冷却ファンを回すと少し温度が下がります。ファンの音は以外と耳障りで、シャーシ背面につける等の工夫が必要です。

高めの動作電圧が効いたのか、6AU6の音は噂ほど暗くありません、密度の高い音です。6CA7は各社から出ており好みのブランドを探したいと思います。

安い小さな出力トランスで低能率4Ωのミニスピーカが大音量で鳴ります。低音の量感もあり、ミニSPの上に手持ちホーンツィータを乗せました。予想以上の出来となり、気を良くして2台目も作りたいと思います。

 

2000/10/1 t.shiroyama