チェンバロコンサート

念願叶ってチェンバロコンサートへ行ってきました。

■コンサート会場

コンサートは2002年3月、会場はハンマーフリューゲルを聴いた場所と同じ長崎市内にある旧香港上海銀行長崎支店記念館。使われる楽器はチェンバロ、バロック・バイオリン、ビオラ・ダ・ガンバです。

■チェンバロ

  

16世紀には既に存在していた古〜い鍵盤楽器でイタリアではチェンバロ、イギリスではハープシコード、フランスではクラブサン。ピアノは弦をフェルトハンマーで打ちますが、チェンバロは弦をジャックで引っかきます。ジャックは鳥の羽根、或いは皮を使うようです。チェンバロの弦は真鍮その他の金属ワイヤーを使うそうですが、繊細な音が出る要因は細い弦にもありそうです。ピアノと異なり音の強弱が出ないので装飾音符を使って変化を付けています。また聞く人が退屈しないよう楽器にも華やかな装飾がなされています。ハンマーフリューゲルはシンプルな外観でしたがチェンバロは華やかです。工業製品ではない手作りの味が伝わってきます。

■バロックバイオリン

あご当てが無く、腕で包み込むようにして支えています。

■ビオラ・ダ・ガンバ

チェロと同じ位の大きさですが楽器を支える支え棒が無く両足で楽器を挟んで演奏します、少し窮屈そうにも見えます。チェンバロと同様に16世紀には存在していた楽器です。ちなみにガンバとは脚の意味です、納得。弦は6本でギターと同じようにフレットが付いています、音合わせではフィレットの位置も調整していました。

■演奏

演奏曲はフランスのラモー曲集で今回も最前列で聞くことができました。チェンバロCDはバッハばかり聴いていますがラモーの曲は少しリラックスした雰囲気があります。チェンバロは想像よりも音量が控えめですが繊細さが素晴らしい!CDでは聴けない沢山の音が聞こえます。チェンバロの蓋に写る演奏者の手つきを見ると軽やかに演奏しています、鍵盤が軽いようです。
初めて聴くビオラ・ダ・ガンバは弦が6本もあり音域が広く演奏者は忙しく弓を弾いています。バロック・バイオリンと共に枯れた響きはゾクゾクッときて涙が出そうです。音の伸びを抑えた独特の音色はバロック楽器の特徴でしょうか。
チェンバロ、ビオラ・ダ・ガンバ、バロック・バイオリンの音量は略同じ、良くできています。

次のコンサートが待ち遠しいです、室内楽を目の前で聴いてしまうと大きなホールへ通う気持ちになれません。と言いながらオーケストラの迫力も良いな...やはり生のコンサートは素晴らしい!

2002.3.17 t.shiroyama