CDプレーヤのメカ電源強化
CDP(TEAC VRDS−25x)の改造でDAI〜アナログ部の電源強化を図りました。メカ部も電源強化を行うと更によくなると牧原さんに伺いました。良い音を求めメカ部電源強化の始まりです。
改造は個人の責任で行って下さい、メーカの保証・修理は受けられません。
■メカ駆動ICのパスコンを増やす
着手前に半導体メーカのホームページから各ICのデータシートをダウンロードしておきます、何かと便利です。デジタル信号処理ICのデータシートは何と103ページ、但し見るところはICのピンアサインのみですが。
ピックアップ、スピンドル、ピックアップスライドには専用のドライバIC(パワーOPアンプ)が使われています。各ドライバICには±10Vを供給、47μFのパスコンが付いています。
パスコンを47μF=>470μFに交換してみました。
メカ基板は他の基板と異なり表面実装部品(チップ部品)が使われています。更に両面基板となっており基板裏側へのパスコン追加はできません。47μFのチップコンデンサを外し470μFの電解コンデンサを付けました。下の画像はピックアップスライド用リニアモータのコイルに加わる電圧をオシロで見たものです。時間軸は20msec/DIV、デジカメで撮ったので波形が二重に見えます。
左画像がオリジナル、右画像は470μFに交換後の波形です。交換後は凹凸が増え細かな制御が行われているようです。
この時点でCDを再生、パスコン交換の違いが良く分かります、かなり良い具合で鳴っています。オマケに読み取りエラーを起こすCDも難なく再生します、思わずやった−。
音がスーッと出てスーッと消えます。エコー、空気感が増しました。
DAC基板の外部電源化を行ったので電源基板が遊んでいます、これも両面PCB、贅沢な作りです。3端子レギュレータにツェナーダイオードで下駄を履かせ所定の10Vを得ます。21V=>10Vまで落とすので放熱器は火傷しそうに熱くなります。
CDの音ですが奥行きがグッと増すのが分かります。数枚のCDを聞いていましたが突然音が出なくなりました。調べると3端子レギュレータが昇天、レギュレータは過電流保護、サーマルシャットダウン機能があるのですが見事に壊れました、初めてです。不精せず大きな放熱器を載せた電源基板を作ることにします。
早速3端子レギュレータを使って電源を作りました。希望する電圧のレギュレータが無かったので、ここでもツェナーダイオードで電圧を嵩上げです。今度は放熱器が大きくなり、ほんのりと温まります。
■CD再生音
音が奥へ広がります。古いJAZZもエコーが後ろに広がるのが分かります。JAZZ、クラッシック両方気持ち良く聴けます。但しCDの録音状態、歪が良く分かります、良いのか悪いのか... JAZZ界のカリスマ的存在のヴァンゲルダー録音は歪っぽいのが良く分かります、Hi−Fi的録音では有りませんでした。
■OSコンの追加 等々
以前からジャンクで仕入れたOSコン(鉄リード)をデジタルICピンに直付けしていましたが、今回はデジタル信号処理ICの±5Vラインに100μFのOSコンを奮発しました。ここでも大きく音が変わります、デジタル臭さが取れ滑らかになります。裏を返すといかに不安定な信号処理の音を聞いていたのか、複雑な気持ちです。ジャンクのOSコンもCDPに数十個付けました、これでジャンク品がが無くなりました。デジタル信号処理ICのアナログ系電源はオーディオ用100μFのOSコンに交換、曲の頭出しが早くなり、ピアニシモでの再生も格段に良くなりました。
ついでにメカ系±5V電源にも3,300μFを追加、音の変化が良く分かります。(音を表現する言葉が思い浮かばない)
画像左下隅はリニアモータ用ドライバICの放熱器です。CDPを連続で使うとアチッとくる位の温度となります、古い金田式アンプでお馴染みのキャンタイプTr用の放熱器をエポキシ接着剤で付けました。これでもかなり温度が上がります。
■今後の計画
DAI〜DAC〜アナログ部は外部電源から供給しています。何れはメカ部も外部電源から供給し、更に良くしたいと思います。全ての外部電源をケースに纏めると大型パワーアンプ並の容積が必要、悩むところです。
★メカ部電源強化で変化したのは再生音だけではありませんでした。曲の頭出しでキュルキュルと小さい音が聞こえますが、これがシュルシュルに変わりました。滑らかにメカ制御が行なわれている様子です。
いつもながら牧原さんには大変お世話になりました、有難うございます。
2001/9/6 create t.shiroyama
update 9/7、9/8、9/9