CDプレーヤ改造の纏め

TEAC VDRS−25xの改造が一段落したので実施内容〜効果を纏めてみました。半導体メーカのHPから各ICのデータシートを入手しておくと作業がはかどり、リスク回避にもなります。

改造は個人の責任で行って下さい、メーカの保証・修理は受けられません。

■メカ部

大半が表面実装部品です、チップ電解コンデンサを外すのは大変でした。ICも足ピッチが狭く電源ピンの確認は根気が必要ですが、苦労が多い分改善効果も大きいです。銅箔パターンが細いので長く半田ゴテをあてると銅箔が剥がれてしまいます。DAC部と異なり未知の回路が並んでいます、壊して復旧できるか、等々...少しテクニック&勇気を要しそうです。

対  象 実  施  内  容
供給電源 整流後の電解コンデンサは6,800μFありそのまま、3端子レギュレータ出力の電解コンデンサを容量アップ。別電源化を計りたいところです
メカ駆動IC
(パワーOPアンプ)
電源パスコンの容量アップ(元の10倍)、後でOSコンを追加しましたが変化は少ない様でした。かなり熱くなるのでエポキシ接着剤で放熱器を付けています。
RFアンプ、デジタル信号処理IC 電源パスコンを100μF・OSコンに交換
メカ駆動電源の定電圧化 定電圧化されていない電源を3端子レギュレータで定電圧化、電圧が少し低くなりましたが問題無く動作しています
CD読み取り性能が向上したようで格段に解像度が良くなりました。埋もれていた微弱音が良く分かります、奥行き立体感など驚く程リアルになりました。聴感上のS/N比、ダイナミックレンジも広がります。この時点では少し薄め、ヒステリックな鳴りも感じます。供給電源側にコンデンサを足していくと改善具合が良く分かります。
CDによっては音飛びしていましたが音飛びが直り曲の頭出しも格段に早くなりました。別の音飛びするCDPも同様の改造で直りました、何れもデジタルサーボ式です。
リサイクルショップで買ったジャンクCDのRFアンプ、デジタル信号処理ICに10μFのOSコンを付けてみました。解像度が上がるのが分かります。数台CDPの中身を眺めてくると大凡の信号の流れが見えてきます。

■DAC部

左画像はサンプルレート変換ICでOSコンをICピンに直接半田付け、右画像は20ビットDAC(片ch2個)。TTL周りは基板裏にOSコンを付けています。

  

対  象 実  施  内  容
供給電源 別電源化を計りました、電解コンデンサはパワーアンプ並の容量でデジタル/アナログ用に2個トランスを付けています
デジタルフィルタ〜DAC 電源パスコンを100μF・OSコンに交換
TTL・IC 電源パスコンを47〜100μF・OSコンに交換

音に艶が出てしっとりとした感じで、ヒステリックさも無くなりました。静かに〜出るべき音は前に出る、静〜動の対比が素晴らしいです。シンバル、トライアングルもチリチリした音に厚みが加わります。
小さなSPですがクラッシックのホールトーン、音場、空気感の片鱗など聞こえます。オーケストラのワンポイント録音はオフ気味ですが、各楽器が良く分かります。
JAZZは録音が新しいほど加工過多で、自然さが失われるのが多い様です。昔のJAZZ喫茶風に明瞭度重視、ガツンとくる音作りをしているもの、一見大人しく聞こえるがエコー〜雰囲気を大切にしているもの、様々です。初期ステレオ録音盤も素晴らしい音だと感じます、録音機材の相違(球〜トランジスタ)が分かるかもしれません。
JAZZ、クラッシックどちらも良く鳴ります。

ローパスフィルタOPアンプも電源にOSコンを付けてみましたが、音のエッジが立った様で芳しくありませんでした。OSコンもエージングが進むと良いのでしょうが今は外しています。音色調整に使えるかな?と思いました。
CDPに付けた電解コンデンサ容量の総計は110,000μF以上となりました、OSコンも5〜60個以上付けました。

■動作確認

チェックCDのサイン波、スィープ信号を再生し、アナログ出力に60MHzオシロを繋ぎ波形を観測しました。特に異常は無いようです。改造当初は低い周波数で階段状となっていましたが、アース取りを変更し綺麗なサイン波となりました。
デジタル信号も同様にオシロで確認しました。綺麗な方形波ではありませんが、OSコンを追加すると改善が見られます。クロック周りは改善が顕著です。
CDのデジタル波形観測は60MHzオシロだと限界があるようです、広帯域オシロが欲しいところです。

2001/9/23 create t.shiroyama