CDプレーヤの高精度クロック化
牧原さんより16.9344MHzの高精度クロックを頂きました。精度は周波数偏差/温度:±5ppm以内、周波数偏差/電源電圧:±1ppmとなっています。早速TEAC・CDPに取りつけることにしました。
改造は個人の責任で行って下さい、メーカの保証・修理は受けられません。
■クロック部の製作
TEAC・CDPは内部が窮屈なのでクロック部は小さく作る必要があります。両面スルーホール基板の片面に部分を載せ、配線も部品面で行い裏面は突起物が無いように作りました。これで簡単に両面テープで固定ができます。
高精度クロックとCMOSバッファは個別に3端子レギュレータで電圧の安定化を図っています、また3端子レギュレータの出力側は1,000μF電解コンデンサ+390μFのOSコンを付けました。画像では分かりませんがチップタイプの積層フィルムコンデンサも付けています。
■先ずは安価なCDPに高精度クロックを付ける
エネルギー感は変りませんが、あっさりと解像度が上がりました。
■TEAC・VDRS−25x CDPに高精度クロックを付ける
メカ基板は底板を外した部分に付いていますが高精度クロックを付けるスペースがありません。 ターンテーブル式スピンドルの後にスペースがあるので、両面テープでクロックを固定しました。 クロック奥はメカ用定電圧電源の放熱器です。ピックアップカバーには昔買ったCDチューンアップペンで緑色に塗っています。 |
■音は
最初は音が引っ込んだと思いましたが、エコー成分が増え奥行き感が増したものでした。スピーカの背面に大きな空間が現れます。クラッシックのホール録音は低域寄りのエコー、教会録音は中域のエコーと違いが良く分かります。ワンポイント+プレゼンスマイクを使った(と思われる)録音は良いのですが楽器、マイク数が増えた録音はエコーが出鱈目なものが多いです。
和太鼓は皮が一瞬たるむ音、パイプオルガンの超低域でウーハがフラフラと揺れる際の混変調も明快です。
JAZZ/クラシック共に解像度が上がりました、低域〜超低域が建著です。但し楽器〜マイクの距離が更に近付いた音でコンサートで聴く音とは明らかに異なります、細かな音が少々耳障りです。
■メカ部デジタルICの独立定電圧化
RFアンプ、デジタル信号処理、周辺TTL部に各々3端子レギュレータを追加しました。簡単に解像度が上がり少し艶が乗ります。
■DAC基板の高精度クロック化
水晶発振子で18.432MHzのクロックを作り、サンプリングレート変換(44.1KHz⇒48KHz)IC、デジタルフィルタICに供給していますが、プラクトサウンドシステムさんから高精度発振器(1ppm精度)を入手し置き換えを行いました。高精度発振器は取り付け場所が無いので、±12Vブスバーの上に両面テープで固定しています。発振器周りに見える電線はデジタルIC毎に3端子レギュレータを8個追加した際の配線です。
あっさりと解像度が上がり、エコーが更に明快です。キツメのヴァイオリンは弓/弦/共鳴箱の音をミクロ的に分解し鳴らしきります。響き過多で煩かったクラッシックピアノも上手く響きます。声楽は息継ぎが目立ちますがご愛嬌です。マイクが遠めの弦楽オーケストラでも細かな音が聞こえ過ぎますがコンサートで聴く雰囲気が良く出ています。パイプオルガンはややマイク位置が遠いのか、コンサート風に生っぽい音です。
JAZZは新旧問わずデッドな環境下で録音、電気エコーを付けているので乾いた音で違和感があります。録音スタジオの息苦しいデッドな環境は伝わってきますが。
改造が進むと低域の解像度も上がりますが量感が減ってきます、一方スピード感は更に向上し打楽器はドキッとする音が出てきます。和太鼓は2〜3次高調波が良く分かります。
■DAC電源の独立定電圧化
20bitDAC(AD1862)が左右に2個、計4個付いていますが、ロジック/アナログ電源を3端子レギュレータで独立電源化を図りました。スペースが無いので2個のDAC共通電源としてDACの上に取り付けました。CDP内の3端子レギュレータを数えると30個位...
更に解像度/立体感がアップしエコーも明快です。クラシックは床の響きやステージ、ホールの響きが良く分かります。チェンバロは倍音成分が大人しくなり木製胴の響きが伝わってきます。
2003/8/24 create t.shiroyama
update 2003.10.30、11.29