ハイコンポCDプレーヤの簡易リクロック
CDPのリクロックは以前から興味があったのですが、簡易リクロックを試して見ました。
改造するとメーカの補償を受けることができません、個人の責任で改造となります
■クロックの場所
メカ側にクロックが無くDSPにクリスタルが付いています。DSPからCDP/デジタルアウトが出ているので、デジタル信号処理も行なっていると思われます。
■簡易リクロック
基板に付いているクリスタルとコンデンサは外してリクロック用に流用します。ユニバーサル基板片にリクロック回路を組み、両面テープで基板に固定しました。
DSPクリスタル端子のどちらにリクロック出力を繋いで良いか分からないのですが、どちらの端子に繋いでも音楽CDが再生できます。CD−Rを再生すると読み取りに差が出たので、上手く読み取る側の端子に繋ぎました。
■リクロックの結果
少し変化があるかな位に考えていましたが、結構音が変わります。解像度が上がりすっきりとした音になり、録音スタジオのエコーも聞えてきます。但しDSP/DACの限界か音の粒立ちが少し粗く感じます。ここまで音が変わるなら、改造前のクロック波形をオシロで確かめておけば良かったのですが事遅し。
初期の改造で増強した電解コンデンサを外すとエネルギー感、分解能等が失せてきます。
巷の高精度リクロックに比べクロック精度は劣りますが、改善効果は同等だと思います。
簡易リクロックは簡単に終ってしまいました、拍子抜けの感です。酷ですがTEAC・改造CDPと聴き比べると超低域がスカスカでした。
■リクロック波形、電源ノイズ波形
オシロで波形を確認したものですが、X軸は60MHzオシロの限界でこれ以上延ばせません。上はリクロック出力波形ですが、DSP入力容量等で積分されて角が丸くなっています。下はDSP+5V電源に乗ったノイズ波形で、メカ側電源も波高値は異なりますが同様のノイズがあります。
CDPはIC毎に3端子レギュレータで安定化していますが上手くノイズが消えません。電源ラインに大容量の電解コンデンサ/OSコン/フィルムコン/積層セラミックなどを付けても劇的な改善ができません。
このノイズがDSP後のローパスフィルタ(OPアンプ)電源に飛び移り、僅かですがアナログ信号出力にも同様のノイズ波形が乗っています。
■リクロックICの交換&定電圧化
74HCU04を高速版74AC04に交換しました。DSP(DAC)の限界と思われた雑な感じが無くなり、すっきりした音です。
更にリクロック部を3端子レギュレータで定電圧化を図りました。全体がしっとりとして少し解像度も上がり、録音スタジオのエコーが分かり易くなりました。
半信半疑で行なったリクロックですが、かなり変化がありました。普及型CDPですが結構なグレードの音が出るようになりました。CDP改造は奥が深く楽しめます。
■読み取り能力の向上
リクロック前は改造CD−RWで焼いたCD−R以外は上手く読めなかったのですが、リクロック後は他のCD−RWで焼いたCD−Rも上手く読むことができる様になりました。クロック=心臓部でしょうか。
2003/6/1 create t.shiroyama
update 7.2