ポータブルCDプレーヤ改造
ディスカウントショップで格安ポータブルCDプレーヤを買ってきました、CDレコード2枚分の値段です。ACアダプタ、ヘッドホンまで付いています。
改造するとメーカの補償を受けることができません、個人の責任で改造となります 。
ローム製のIC・5個で構成されています、当然ながらデジタルサーボ式で基板には調整個所がありません。数台CDPを改造すると大凡の信号の流れが見えてきます。
基板には3個分のICの空きがあります、上位機種の音飛び防止用ICを付けるためのものでしょうか。
基板画像は一部改造を施しています。
■改造前の試聴
■簡易的な改造
基板表にある電解コンデンサは超小型で普通サイズのコンデンサは取りつけできません。手持ちの超小型電解コンデンサ、OSコンを活用します。
基板表側に付いている電解コンデンサを105℃仕様(高域インピーダンスが低い)コンデンサに交換、ICの周りに小容量のOSコンを追加しました。ラインアウトの電解コンデンサは220μFのオーディオ用に交換。DC/DCコンバータの前後に3,300μFを追加、3,300μFは大きくて基盤に付かないのでリード線を引っ張り出しコンデンサを付けました。
DAC出力のローパスフィルタCR(チップ部品)は改造中に外れてしまったので2kΩ(金属皮膜)と1,000PF(フィルム)に交換しています。
■簡易改造の結果
専用電源の製作が間に合わず、附属ACアダプタを使って裸の状態で試聴です。扉が開いていると再生できないのでニッパで扉SWをONにしています。3,300μFのコンデンサ2個はリード線で引き出しています。
ナローレンジ的な音から激変してワイドレンジ、静か、解像度もかなり高くポータブルCDPの音とは思えません。据え置きCDPと比べ超低域が伸びていませんが、専用電源化を計り電解コンデンサ容量を奮発すると改善されそうです。DC/DCコンバータに起因するノイズも治まり静かです。
ポータブルCDP用のICはローパワーなので、小容量コンデンサの追加で簡単に解像度が上がりました、少し拍子抜けした感じです。
次は専用電源を作りケースへ収めます、予想以上の音が聞けそうです。
■本格的な改造
各ICの電源周りに100μF〜1,000μFのコンデンサを付けました、小さな基板上に7,000μF程付いています。また出力電圧3Vの定電圧回路も作りました。
ケースへ収める予定なので表示部はフラットケーブルで延長しています。銅箔パターンが髪の毛位に細くチップ部品ばかり、拡大鏡が欲しくなります。
DAC出力のカップリングコンデンサはオーディオ用に交換し、容量も増やしました。オマケにヘッドフォンアンプの入力〜出力カップリングコンデンサも容量を増やしました。
■本格的な改造の結果!
消費電流は停止:70mA、サーチ:300〜350mA、再生:120mAと僅かです。電源電圧を2〜7Vに変化させても安定に動作し、消費電流も変わりません。電源強化で曲のサーチが早くなりました。
ノイズは普通に聞く分には全く気にならない位に静かです。改造したTEAC・CDプレーヤに迫る解像度で余韻〜エコーがはっきりと聞こえます。1ビットDACと思えない力強さもあります。定電圧電源の電解コンデンサを30,000μFにすると重心が下がりエネルギー感も出てきます。音は硬めで少しエッジが立った感じですが、ラインアウトのハイカットフィルタの定数を変えると改善できそうです。
CDプレーヤ附属の安物?ヘッドフォンで聞くとノイズが激変、殆ど分かりません。解像度が上りスピーカで聞く以上に余韻〜エコーがはっきりと分かります。エネルギー感が増し低域も良く伸びています。オモチャみたいなヘッドフォンですが結構良い音が出ます。
改造ポータブルCDプレーヤをsatriアンプ、Nautilus804スピーカに繋ぐと凄い音が出ます。高解像度〜ハイスピード、サブCDPとして十分に通用する音となりました。ピアノのズ〜ンとくる響きも出てきます。流石に改造したTEAC・CDプレーヤ並の超低域は出ません。
2002/4/7 create t.shiroyama
update 4/14