伊能忠敬『測量日記』
十二月七日
曇り風時々雪。
同所に逗留して測る。同村字ミトセ鼻より初める。大小(ヲホコ)島の渡り口に大印を残す。二町一十五間(245m)が沿海。瀬戸の巾五十六間(102m)。大小島は一周五町五間五尺五寸(556m)。小島は一周二町(218m)ばかりで遠測する。
又、地方の大印より初める。入江を回り中ノ浦。深浦。中島(現在は埋め立てられて無い)は一周三十間(55m)ばかりで遠測する。戸根原川尻に原印を残す。沿海一里三町二十一間三尺五寸(4,294m)。原印より横切り、外の海辺の字古屋敷に当四日に残した印に繋げる。横切り二十一町五十八間二尺五寸(2,397m)。枝戸根(長崎市琴海戸根町)日蓮宗自証寺で昼休み。
又、原印より初める。戸根原川尻は巾三間(5m)。字戸根原。北川は巾五間(9m)。長浦本村浜の人家前で沿海を打ち止め、六町四十八間(742m)。沿海合計一里一十二町二十四間三尺五寸(5,281m)。総測二里四町二十四間五尺五寸(8,336m)。
七っ頃(午後3時頃)に宿へ帰る。
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背景の地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
※国土地理院承認番号 平14総複、第253号 平成14年10月9日 |