2008 10 小値賀町

小値賀漁港に戻った。
夕食は、小山旅館の隣にある寿司屋さん。
食後に、近くのスーパーで夜食を買い込み、今夜の宿へ向かう。

今夜の宿は、若者交流センター。
船瀬海水浴場や小値賀町立総合運動公園の奥にある。
普段は、スポーツ合宿などに利用される施設である。

だんだんと暗くなってきた。
夕暮れの海も美しいが、ゆっくり眺める暇はない。
急がねばならない。

若者交流センターに到着。
幸いなことに、この部屋には我々二人だけのようだ。
部屋には何もないが、床やベッドは綺麗だ。

若者交流センターの廊下。
共同の浴場があった。

ターミナルで購入した「ちか丸」くん。
小値賀に行ったら買おうと決めていた。

「ゆるキャラ」として、知名度は意外と高い。
デザインの完成度も高く、すごく可愛い。

今夜、船瀬海水浴場で「おぢか国際音楽祭」のコンサートが開かれるという町内放送があったので、行くことにした。

バイオリンとキーボード、尺八という3人の演奏。
生の演奏は、やはり迫力が違う。
よく知られた曲を演奏したので、楽しく聴くことが出来た。

しかし、コンサート会場が海に突き出た突提の先端だったので、とても寒く、みんな震えていた。

たくさんの人が、コンサートを聴きに来ていた。
1年に1度の「おぢか国際音楽祭」を、とても楽しみにしているようだ。
期間中は、時間帯ごとに、いろんな場所でコンサートが開催される。
豊かな自然に囲まれ、良質な音楽を楽しむ。
ゆっくり滞在して、全てのコンサートを満喫したいものだ。

朝になった。
ここは、宿泊した若者交流センター。
地元の人たちが、たくさんの弁当を作っていた。

朝食後、アレックス・カー氏の講演を聞くため、会場へ向かう。

小値賀町立総合運動公園にある体育館。
屋根がドーム状になっており、とても立派な施設だ。

船瀬海水浴場の裏手で、牛が飼われていた。

船瀬海水浴場。
昨夜は、この突提の先端でコンサートが開かれた。

ここには、仕事で数回訪れたことがある。
いろいろと思い出のある地だ。

海水浴場は、平成15年に完成した。
シャワーやトイレ、ビーチバレーコートもある。

海水浴場としての施設は整っているが、利用者は多いのだろうか。
ちょっと心配。

牛の塔。

1334年建立。
新田開発の際に犠牲となった多数の牛を供養する供養塔だ。
牛に感謝する島民の優しい心が伝わってくる。

毎年9月の彼岸の時期に、牛の塔祭りがあるそうだ。
どんな祭りなのだろうか。

海辺に朝顔が咲いていた。
昨日は、暗くてよく分からなかった。

会場に着くまでの間、島民の人と目が合うと、みんなにっこりとして、会釈してくれた。
観光客だと分かったのだろう。

長崎の他の島と違い、観光客を敬遠した雰囲気は全く感じられない。
島民が観光客に慣れていて、積極的に受け入れようとしている。
観光客は、きっと居心地の良さを感じるだろう。
これは、小値賀町にとっての強みである。

やっと、会場に着いた。
すでに、多くの人が席についていた。

まずは、アレックス・カー氏の講演。
「未来へ残すもの 未来遺産とは」というテーマで、小値賀町の古い民家を改造して、そこに富裕層の外国人を受け入れたいという考えを、島内で撮った写真を見せながら、説明していた。
大事なことは、島にとって当たり前である風景が、島外の人には非常に魅力があるものだということ、そして、住民がその価値を認識し、守っていくこと。
そう島民に訴えていた。

アジア人と異なり、西洋人の旅行は、一箇所に滞在して何もせずにゆっくり休む。
そういう文化の違いを理解したうえでの活性化策なのだろう。
私のように旅行をしたら、隅々まで見て回らないと気が済まない人間には、西洋人の感覚はよく分からないが、この取り組み、今後の動きに注目していきたい。

次に、未来遺産シンポジウムが開かれた。
パネラーは、以下のとおり。

アレックス・カー<東洋文化研究家・(株)庵会長>
清水 愼一<(株)JTB常務取締役、立教大学教授>
鉄川 進<建築家>
片寄俊秀<大阪人間科学大学 環境デザイン学科教授>
山田憲道<小値賀町 町長>

そして、コーディネーターは菊森淳文<(財)ながさき地域政策研究所常務理事>

野崎島と野首教会のことを話していたが、特に内容は無かった。
パネルディスカッションは、進行が難しいと改めて思った。

シンポジウム終了後、丸まタクシーに乗って、斑島へ向かった。
斑島には、国の天然記念物であるポットホールがある。

斑島から対岸の小値賀島を望む。
五両ダキが見える。

ここに、ポットホールがある。
周りは岩場で、魚釣りには最適な場所だ。

この球体がポットホール。
岩場の隙間から入る波で削られて、次第に球体になった。
出来初めて、6千年ほど経っているそうだ。

近くの祠に、球体が祭られていた。

タクシーの運転手さんが、観光客の数が多い割には、タクシーの利用は少ないと嘆いていた。
島内観光など、遠慮なく利用してほしいとのこと。
民宿もやっているので、次回は利用を考えてみよう。

斑漁港。
船がたくさん停泊している。

公園に松が植えられていた。
港に緑があると、落ち着いて良い。
維持管理が大変そうだ。

斑大橋から小値賀島を望む。
昭和53年完成。
それまでは、渡海船が往来していたそうだ。

斑大橋から見える海は、とても美しい。
仕事で訪れる際は、その海を見て、いつも感動していた。
今回は、残念ながら曇っていたので、それほどでもなかった。

これで、小値賀島観光も終わり。
小値賀島には、姫の松原、柿の浜海水浴場、赤ダキなど、まだまだ見所がたくさんある。
またの機会にとっておこう。

フェリー太古が到着した。
五島市福江港〜博多港間を結んでいる。
仕事や旅行で何回も乗った船なので、懐かしく思った。

帰りの船となるフェリーなるしおが宇久平漁港からやって来た。
佐世保港まで、約2時間30分。

船上から再び野崎島を見た後、眠りについた。
最初から最後まで、すごく充実した小値賀旅行であった。
頻繁に訪れるのは難しいが、必ずまた行きたいと思う。

お土産に買った「火山弾」と「玉石饅頭」。
素朴な味で、美味しかった。

島の定番土産「かすまき」も美味しかった。
土産は、全て当たりであった。

しかし、お目当ての納島名物の落花生は季節が合わず売ってなかった。
残念だが、仕方ない。

単独自治体として、地域振興に取り組む小値賀町。
若い人たちが中心となっているので、とても心強い。
今後、どういう取り組みを実施するのか、注目していきたい。
世界に通用する一流の観光地として、頑張って欲しいと思う。

BACK           TOP