CDプレーヤの外部電源強化

 

CDP、アンプの改造を実施し電源の重要性を痛感しています。先日は手作りアンプの会・豊蔵さんより100,000μFの特大コンデンサを頂いたので、CDP外部電源をパワーアップして作り直すことにしました。

改造は個人の責任で行って下さい、メーカの保証・修理は受けられません。

■外部電源の中身

TEAC・VRDS−25xのDAC基板は外部電源から電源を供給しています。既存外部電源は50VAのトロイダルコアトランスを2個、総計80,000μFの電解コンデンサを積んでいます。今回は一回り大きな電源トランスを2個、アナログ系に100,000μFを使います。手持ちブロックコンデンサを可能な限り載せ総計300,000μFとなりました。
ケースはタカチ製W43xH15xD32cmのものを使っています。パワーアンプが組める大きさで電源も小型パワーアンプ以上のボリュームがあります。

■音は!

解像度が向上する位かなと簡単に考えていましたが、凄い変わりようです。
エネルギー感、立体感、音場、音像、奥行き、解像度...各段に良くなっています、目の前に3次元立体音像が現れます!
音像はやや左寄り、右寄り、中央寄りと微妙な位置関係が分かります。古いJAZZ録音はベースがブンブンと聞こえることが多いですが、細かな音が良く分かります。ドラムスはマイク〜楽器の距離感も明快、シンバルが前に太鼓が引っ込んでいます。左右の音が一体化したようでドラムス、ピアノの左右に行き交う音も違和感が少なくなりました。
室内楽はコンサートで聴くような柔らかく芯のある音、音の消え方〜雰囲気が出るようになりました。静寂感、分解能も各段に良くなりピアニシモも最後まで聞こえます。
音のバランスが少し変わったようなので、CDP、アンプ、スピーカの調整が必要となりました。

普通のCDを聴いていてもデモCDの様に鮮明な音で感動の連続、電源強化は大成功でした。

■更にコンデンサ追加、音場が見える

デジタル系電源に60,000μFを追加し、外部電源のコンデンサ総計は360,000μFとしました。CDP本体にも7〜80,000μF位を載せているのでコンデンサの塊です。
エコーが良く聞こえるので音が広がり、奥行きが遠近感に変わります。
JAZZ
・左右に振り分けられているピアノ、ドラムスも一体化して聞こえる、各楽器のエコーがはっきりと聞こえる、ベースの指使いも分かる
・スピード感が抜群に良い、ドラムスのシンバルはスティックの当たる音が中心となり金属音が減少。タムはスナップの利かせ方が分かるようでドラマーにより音の切れが異なる、下手だとペタペタと聞こえる
・豪快なロリンズのテナーサックスも微妙な下唇、舌の使い方が良く分かる。ホーキンスのテナーはリードの音より管が響いている
・ブルーベックのピアノは鍵盤を弾いて直ぐペダルを踏むのが分かる
クラッシック
・チェンバロの高域金属音が減少しギター、ハープの様に弦楽器を意識させる音。鍵盤を弾く時のカカカタ、ゴソゴソとした雑音も明快
・コントラバスはフワッとした響きでコンサートで聴く音に近くなる
・オーケストラの奥から聞こえるトライアングルの音が綺麗、澄んでいる
・弦楽器も概ね良好、CDP/アンプ/SPの調整で上手く鳴りそうな気配で楽しみ
・ピアノは録音によっては鍵盤を弾く際のカタコト音が分かる、エコーが心地良い。チェンバロと同様に早弾きするとビンビンと異音が聞こえる

どのCDを聴いても驚きの連続です、録音はマイク〜楽器の距離が近いのでコンサートで聴く以上の細かな音が分かります。オンマイク録音のJAZZもエコーが加わり味わい深くなりました。クラッシック録音はJAZZと比べマイクが多いのか、不自然な音場となるものがありガックリでした。他にも沢山驚きがありますが限がありません。

今迄は迫力が欲しい、細かな音が聴きたいが為に音量を上げていました。現在はエネルギー感、分解能、音場等の向上があり音量を下げても不満がありません。環境〜耳にも優しい音です。但し音量を上げると凄まじい音のエネルギーを感じます。

ポップアート的画風が印象画に変わりました。刻々と移り変わる光〜陰影の瞬間をキャンバスに投影する印象派風の音となり満足です。もう少し調整するとバイオリンも綺麗に聞こえそうで楽しみです。(コンサートで聴く生のバイオリンは美しい音だとは思いませんが)

■高級機器との比較

オーディオショップで試聴会があり無理をお願いして改造CDP(画像右下)を繋いでもらいました。xxサウンド誌から抜け出てきた高級機器が並んでいます。改造CDPは床置き、電源はOAタップから供給、アナログ出力(バランス)を繋いでもらっての比較試聴です。ソースは聴きなれた持参CDでチェンバロ/アリア/JAZZの普通のもの3枚。JAZZはセロニアスモンク/モンクスミュージック(57年録音)で音場/遠近感/質感が上手く録音されたものです。
先ずは高級機器でCDを再生、ゆとりある再生音です。次に改造CDPで試聴、音場/遠近感/質感/エネルギー感等が向上し左右スピーカの間の隙間が音で埋まります。サックス、アリアは自宅で聞くように音が突っ込んできます、エネルギー感が伝わります。流石にアンプが上等で自宅より余裕のある音です。自宅の改造Nautilus804と比べ細かな音が聞こえません。

最後に同席していたメーカさんに感想を尋ねると「個人的には改造CDPの音が好きです」。

■メカ系電源も強化

メカ系に電解コンデンサを足すと未だに音が変わります、思い切って外部電源化を計りました。電源トランスは50Wトロイダルコアを使っています。肝心の音ですが静けさ、透明感が増したようで腰の据わった安定感を感じます。以前と比べ激変ではありませんが聴いているうちにジワジワと改善具合が分かります。
またCDトレイ開閉の動き始めが早くなりました。モータ、ピックアップ駆動〜制御も余裕を持って動いていると思います。

■更に10万μF追加

またまた豊蔵さんより100,000μFの特大コンデンサを頂いたので、外部電源に組み込みました。

100,000μFが4個も並ぶと壮観な眺めです。CDP本体の電源トランスを含めると4個の電源トランス、有り余る余裕の電源となりました。CDPから出てくる音は静寂そのもの、音が宙を漂う雰囲気があり音程も非常に安定しています。
メカ系の電解コンデンサ容量が不足気味なので増やしたいところです。

■更に電源強化
メカ駆動部電源も80VAの電源トランスで電源強化を図りました、辛うじて外部電源ケースに収まります。外部電源容量は合計270VA位、パワーアンプ並です。電解コンデンサも100万μF位、電源トランスは軽く使っているので熱くなりません。

音の密度がかなり濃くなったのが分かります。軽量アナログプレーヤを重量級アナログプレーヤに変えたときの様に重心が下がり安定感があります。

2002/2/17 create t.shiroyama
update 2/23、3/16、3/24、6/22