PCでスピーカ過渡特性を測る

■経緯

PC音源でトーンバースト波を作ることができます。これでSP(スピーカ)の過渡特性を計れないかと試してみました。

測定にはWaveSpectra(FFT)とWaveGene(PC音源)を使います。各ソフトのダウンロード、使用方法は

FFTソフトの使い方を参照して下さい。

■トーンバースト波を作る

WaveGene(PC音源)を使ってトーンバースト波を作ります。

Wave1のゲートの値を指定してトーンバースト波を発生させます。1番目のパラメータで波数、2番目のパラメータでoff周期を指定します。
“4”、“8”とすると4周期発生+8周期off波形を繰り返し発生します。
■観測の準備
WaveSpectra(FFT)の波形表示機能を使います。
 

 
画面上の波形表示領域と画面下のFFT表示領域の境界線をマウスで移動すると、波形表示領域が大きくなります。
また観測波形を見易くするために、画面右上のスパナマークをクリックし、設定画面で設定を行います。
 

 
縦軸、横軸の倍率を指定すると、波形表示画面の縦横倍率が変わります。
■トーンバースト波を観測する
WaveGene(PC音源)=>アンプ=>SP(B&W CDM7NT) 〜 マイク=>WaveSpectra(FFT)で観測しました。マイク〜SP距離は30cmです。
アンプ出力電圧は1W/8Ω換算で2.83Vに調整しています。波形が上手く表示されたタイミングを見計らって“ポーズ”ボタンか“ストップ”ボタンを押して流れている波形を止めます。
 

 
200Hz以下、及び5KHz以上は半波長の余分な振動があります。
また低域は1波目の波高が低くなっています。SP特性かアンプドライブ能力の影響かは定かでありません。
WaveGene(PC音源)の限界(あるいはPCの限界)か10KHzの波形が崩れていますが、減衰状態が分かります。
 
■何が分かる?
SP過渡特性の評価方法が良く分かりません。オーディオ雑誌にもSP過渡特性の評価、SP歪み率の評価記事は殆ど見かけません。
結果をどう評価するか、今後の課題です。
着目点を変え、アンプドライブ能力の判断に使ってみようと考えています。今回使用したアンプはV社製、SATRIアンプで測った場合はどうなるか試したいと思います。
 
マイク〜SP距離を離すと、部屋の影響(残響)が確認できます。何れ残響測定も試す予定です。
 

2001/4/21 t.shiroyama