○2020年撮影(その4 台風9・10号関連 並びに 気になった箇所)

*本HPの写真・図版等の転載・転用等を固く禁止します。

 台風9号(9月2日最接近)や台風10号(9月7日最接近)の被害状況(抜粋)や、台風9・10号関連かどうかは不明ですが気になった箇所の報告です。ちなみに、台風の被害箇所については、漏れがあるかも知れませんが、下記のとおりとなっています。


台風9号
・・・
39号棟(公民館)付近の護岸一部崩落 、石炭積込桟橋台の流失 、 ドルフィン桟橋の防舷材流失

台風10号
・・・
30号棟南面梁の一部崩落 、 配炭桟橋の支柱8基のうち1基(高さ約6m)の一部崩落〔参考:2020年9月10日付け長崎新聞〕

また、野母崎の方のお話によりますと、他にも、70号棟の屋根、総合事務所の柱(3本)、3号棟3階のベランダも落ちているそうです。


(外部リンク)

軍艦島護岸が一部崩壊 旧出津救助院も破損 台風9号 - 長崎新聞 2020/09/05 [09:33] 公開
軍艦島「30号棟」一部崩落 台風10号 世界遺産、史跡に爪痕 - 長崎新聞 2020-09-09 [2339] 公開


写真
<2020年9月12日撮影>
 野母崎からの撮影です。端島神社のお姿は見え、30号棟には大きな被害はないように思えますが、石炭積込桟橋の台1基が流失してなくなっています。


写真<2020年9月12日撮影>
 端島神社の拡大です。基礎の柱の状況が気になります。


〔 30号棟南面梁の一部崩落 〕

写真<2020年9月12日撮影>
 今回の台風10号接近の際は、30号棟にとって最悪の結果も考えていましたが、どうにか、南面の梁の一部が崩落しただけで済んだようで一安心しています。
 ただし、これは、あくまでも目に見えて分かる範囲であり、実際には目に見えないところで新たな崩落個所が発生したり、疲労度が増した箇所の増大が危惧されます。


〔 石炭積込桟橋台の流失 〕

写真<2020年9月4日撮影>
  < 写真提供 : 軍艦島コンシェルジュ >
 石炭積出桟橋用の台については、閉山の時点では丸印で示した3箇所にありましたが、台風9号被災にて黄色の矢印にて示した箇所の台が流失し、光景から消えてしまいました。流失した台は初代のドルフィン桟橋よりも前からあり、また、私としても野母船で長崎に行く際によく見かけた光景の一つなので本当に残念でたまりません。
 なお、赤色の丸印で示した箇所の台については形に若干の違いはありますが既に大正時代にはあったようで、黄色の丸印で示した2箇所の台は昭和になってからの設置です。ちなみに、黄色の丸印で示した2箇所の台ですが、右の台では閉山まで石炭積込桟橋が設けられていましたが、左の台では昭和20年代に石炭積込桟橋は撤去されてその後は設けられないままでした。


写真<2020年9月12日撮影>
 黄色の矢印にて示した箇所の台が見えません。ちなみに、上段の写真にて、赤色の丸印で示した箇所の台はドルフィン桟橋の陰に隠れて見えていません。


写真比較写真<2019年9月撮影>
 2019年9月撮影の写真ですが、黄色の丸印で示した2箇所のどちらともに台が見えています。それから、ちょうど1年後に、黄色の矢印で示した箇所の台が流失します。


写真比較写真<2015年11月撮影>
 ドルフィン桟橋の方からの撮影です。黄色の矢印で示した台が、今回、流失しました。
 ちなみに、台は石炭積込船が接岸するためのものではなく、石炭積込桟橋を設けるためのもので、当時の写真については下段写真をご覧ください。


写真<比較写真><写真は、祖父・父が端島に住んでおられた方より>
 写真の左下には台があって、台の上には逆三角形の形をした石炭積込桟橋が設けられています。ちなみに、その桟橋上にある、桟橋を前後に動いたり首を振ることが「ヂストリビュータ」にて石炭運搬船に石炭を落としていました。


〔 39号棟(公民館)付近の護岸一部崩落 〕

写真←<2020年9月9日撮影>
  < 写真提供 : 軍艦島コンシェルジュ >
 閉山時に39号棟(公民館)があった付近の光景ですが、台風9号被災にて護岸の一部が崩落しています。当該箇所の護岸は、昔の天川護岸の前後をコンクリート護岸にてサンドイッチした箇所と思いますが、海側のコンクリート護岸が崩落し、その内側に隠れていた天川護岸が姿を現した光景かと思います。

↓比較写真<2012年9月撮影>
 今回、一部崩落した護岸が、まだ、どうにか大丈夫な頃の光景です。 写真



写真←<2020年9月9日撮影>
  < 写真提供 : 軍艦島コンシェルジュ >
 崩落個所の拡大です。あくまでも個人的な感想ですが、昔の天川護岸もかなりの部分が崩落しているように思います。

 なお、護岸補修時の写真は こちら を、護岸補修完了時の光景は こちら をご覧ください。


〔 31号棟付近の護岸一部崩落 〕

写真←<2020年9月9日撮影>
  < 写真提供 : 軍艦島コンシェルジュ >
 31号棟付近の護岸光景です。私には、今回の台風9・10号関連の被災跡かどうかは不明ですが、黄色の丸印で示した箇所の護岸表面が崩落しているようです。


写真←<2020年9月9日撮影>
  < 写真提供 : 軍艦島コンシェルジュ >
 上段写真の黄色の丸印で示した箇所を切り出しました。本来の護岸ではなく、後日、補強された箇所かと思いますが、赤色の丸印で示した部分の護岸が一部崩落しています。


写真←比較写真<2020年1月撮影>
 赤色の丸印で示した部分に崩落はありません。ついては、今回の台風9・10号関連の台風被災かどうかは不明ですが、少なくとも2020年になってからの崩落です。


〔 31号6階納戸部分の一部崩落 〕

写真←<2020年9月4日撮影>
  < 写真提供 : 軍艦島コンシェルジュ >
 31号棟の中央から昭和館側の光景になります。6階部分ですが、黄色の丸印で示したとおり左端から4カ所の納戸部分が連続して崩落しています。単なる偶然なのでしょうが、6階以外の階では納戸部分の崩落は見受けられないようです。


写真←<2020年9月4日撮影>
  < 写真提供 : 軍艦島コンシェルジュ >
 左端から2番目と3番目の納戸部分の光景です。


写真←比較写真<2020年1月撮影>
 31号棟の建物左端部分が欠けて写っていますがご容赦ください。
 2020年の1月時点では、左端から3番目と4番目のみの納戸部分が崩落しているだけで、靑色の丸印で示した左端と2番目の納戸部分はまだ崩落していません。



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