2008 10 小値賀町

平成20年10月。
アレックス・カー氏が小値賀町で講演会をすると聞き、さらに「おぢか国際音楽祭」も開かれるというので、小値賀町へ行くことにした。

「おぢか国際音楽祭」は、今回で8回目。
島で開催される国際音楽祭ということで、以前から関心があった。
また、今回は、旧野首教会献堂100周年を記念して、教会コンサートが予定されている。

小値賀島を中心とした17の島から成る小値賀町。
その中の一つである野崎島に、旧野首教会がある。
野崎島は、訪れた人誰もが素晴らしいと絶賛する島だ。
しかし、無人島故に簡単に行くことが出来ない。
こういう機会を逃してはいけない。

小値賀町への船は、佐世保港から出ている。
行きは、九州商船の高速船えれがんと1号。

この日は天候が悪く、風も強く、海は荒れていた。
出発前から、欠航にならないか心配であった。

高速船は約1時間30分で、小値賀漁港に到着する。
海は荒れていたが、座席ではなく後方にある部屋で横になっていたので、船酔いすることは無かった。

偶然にも、アレックス・カー氏と一緒になった。
ずっと、隣同士で寝ていた。
話しかければ良かった。

小値賀港ターミナルの内部。

ここで、おぢかアイランドツーリズム協会の方から、小値賀町での観光について説明を受ける。

レンタカーが無いので、2日間、自転車を借りることにした。

小値賀港ターミナル。

今回のイベントには、たくさんの人が訪れていた。
旧野首教会の献堂100周年ということもあって、野崎島に以前住んでいた方々が帰ってくるのだ。

そのため、今回は旅館や民宿には泊まることが出来なかった。

今日は、午後から野崎島にある旧野首教会で、おぢか国際音楽祭の教会コンサートがあるので、それまでの間、自転車で町内を散策することにした。

あわび館。
ここでは、あわびに関する資料を展示している。
なかなか微妙な施設だ。

小西旅館。
小値賀港ターミナルに近い本格的な旅館だ。
ここに泊まってみたいと思っていたが、今回は断念。

小値賀町の商店街。
メインストリートの入り口だ。

まず、その商店街を一気に抜けて、その先にある小値賀町役場へ。
ここで、トイレ休憩。

立派な庁舎だが、単独自治体としてやっていくために、徹底した節約をしているという。

小値賀町では、島の活性化のためにプロレスも開催された。
あわび館や庁舎内には、佐々木健介夫妻の写真があった。

ここも市町村合併を巡り、町を二分する争いがあった。
単独自治体としてやっていくと決めた以上は、しこりを残さず、一丸となって盛り上げていくしかない。
頑張ってほしいものだ。

再び、商店街へ戻った。
小値賀町の路地は、漁師町の風情が漂っている。
島外の人間には、とても新鮮に映る。

昼食は、お食事処「ふるさと」にて。
仕事で訪れた際は、いつもここで食べていた。
魚料理が、とても美味しい。
一度、嫁に食べさせたいと思っていたので、今回もここを選んだ。

食事の後、阿弥陀寺へ。

やはり、寺には行かざるを得ない。
観光に寺院はつきものだ。

阿弥陀寺の境内にある万日堂。

1714年建立で、五島列島最古の木造建築物とのこと。
捕鯨で有名な小田家の歴代坐像が安置されているそうだ。

阿弥陀寺から、小値賀の街並みを望む。
こうやって見ると、意外と家が多い。

白く見える蔵は、小値賀町歴史風俗資料館だ。

山門から、町を望む。
とても趣のある街並みだ。

阿弥陀寺から路地を抜けて、商店街のメインゲート周辺に出てきた。
船がたくさん係留している。

この奥へ行くと、金比羅大橋があり、黒島へ渡ることが出来る。
仕事では数回渡ったことがあるが、今回は行かなかった。
黒島には、神ノ崎遺跡という古墳がある。

再び、商店街の路地に入る。
以前は、もっともっと栄えていたのだろう。
小値賀町も他の島と同様、過疎化に悩まされている。
観光による交流人口の増加は、島の賑わいにも良い結果をもたらすかどうか、今回の旅でも検証したいところだ。

最近、長崎の地元誌で「楽ra-ku」という雑誌が創刊された。
その雑誌で小値賀島が特集されていて、この場所を撮影した写真が掲載されていた。

その写真が印象に強く残っていたので、同じ場所で撮ってみた。
実は、この場所を探すのも今回の旅の楽しみの一つであった。
案外、すぐに見つかった。
絵になる風景である。

「楽ra-ku」という雑誌は、写真の撮り方が上手で、センスが良い。
また、記事として取り上げる視点が素晴らしく、感性が良い。
お気に入りの雑誌である。
長崎を知る雑誌として、お勧めしたい。

小値賀町歴史風俗資料館。
捕鯨で有名な小田家の屋敷後を改装して、開館したもの。
捕鯨で財を成した小田家の財力が想像できる立派な外観である。


正直なところ、こんなに見所がある施設だとは思っていなかった。
初めて見るような資料も多く、とても興味深い。
小値賀町観光では、外せない施設だ。

展示資料も多いが、座敷や庭園も素晴らしい。
ここは、ゆっくり見学しておきたい。

天井には、明かりとりの窓があった。
この小田家母屋は、築250年ほど経っているそうだ。
建物の隅々まで、見て欲しい。

小田家母屋の横には、土蔵の外観をした資料館新館がある。
ここには、野崎島(野首教会)の資料が展示されていた。
企画展示をしており、毎年展示内容が変わるそうだ。
野崎島の展示資料も素晴らしかった。

こんなに満足できるとは思わなかった。
この資料館だけでも小値賀町へ行く価値が十分ある。

また、この資料館では「小値賀 島ばたけ」というガイドブックが売られている。
手作りのガイドブックだが、とても読みやすく詳細に小値賀町のことを紹介しているので、楽しく学ぶことが出来る。

読むと、そのたびに小値賀へ行きたくなってしまう。
とても出来の良いガイドブックだ。

資料館から商店街方面を見る。
この風景も趣があって、とても良い。
絵になる路地が多い。

島内をくまなく観光しようと思うなら、タクシーを利用すると良い。
この「丸まタクシー」は商店街の中にあるタクシー会社で、民宿もやっている。

再び、商店街を上がると、左手に神社が見えてくる。
六社神社だ。
境内は広く、立派な馬の銅像と鳥居がある。

野崎島へ行くため、港へ戻る。
ゆっくり商店街を散策したかったが、時間がない。

本屋はないが、それ以外は、とりあえず商店街で揃うようだ。

途中、いくつも気になる路地があった。
ここを抜けると、何があるのだろう。

まるで、迷路のようだ。
時間があったら、猫のように気の向くまま散歩したい。

海に出てきた。
ここからは、海に沿って移動する。

小山旅館の近くの路地。
商店街付近と違い道幅は広いが、こちらも気になる。

小山旅館の前にある祠。
周囲が、しっかり護岸整備されており、やや趣を失った感がある。
もったいない。

ようやく、小値賀漁港に到着。
イベント用にチャーターされた海上タクシーにて、野崎島へ向かう。

久しぶりの海上タクシーだ。
海が荒れていないことを祈る。

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