売上げ計画
融資の獲得に重要なのは、いかにして「売上げを作れる」ということを金融機関に納得させられるかであり、そのためにはそれを説得力ある資料によって説明することが重要だと解説してきました。 商売は、ただ単に仕入れた品物を並べておくだけで勝手に売れていくほど簡単なものではありません。 実際の事業として成り立たせるためには、最低限以上の売り上げが必要であり、そしてそれを達成するためには「買ってもらうための仕組み」が必要となります。 そして、この仕組みは見込み客(ターゲット)に対する適切なアプローチであったり、集客に向けたチラシの配布や広告であったり、またはセールの開催であったりします。 このような売るための仕組みをひっくるめて「販促推進計画」といいますが、この仕組みがあってこそ初めてモノが売れるのであって、これを無視した事業計画はすでにその段階で現実性のない絵空事になってしまいます。 よくある事業計画書で何の根拠もなく、対前年○%upという見込みを立てているものや、ひどいものになると、ただ単に年間目標額を12で割っただけというものを見かけます。そして当然のようにそこには何の根拠も戦略もありません。 これをもって金融機関の人間に信じろ、融資しろというのは無理な話です。 ではどうすればよいかといえば、買ってもらう仕組みから考えて、それを売上げの根拠へとつなげていくことです。 これなら、売上げの見込みを説明するにしても無理がなく、金融機関の人間にとっても納得のしやすいものとなります。事業計画の作成には事業に対する熱意や多少の思い入れは必要ですが、それだけではお金はでません。 希望額に近い融資を受けるためには、この仕組みづくりが欠かせません。 まず売上げ計画を作るためには、一般的には次の手順で計画を立てていきます。
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1 商圏調査
どんな事業であれ、これから営業するうえで自店の周囲の状況を把握しておくことは重要です。ましては、小売りのように商圏が小さな事業をする場合にはその調査が欠かせません。 そこで有効となるのが商圏調査の手法です。 そもそも、商圏調査とは商圏の特徴や現状を明確にし、具体的な顧客ターゲットに対して戦略的な店舗運営を図ることを目的に行われるものでもあり、その調査方法として、実施による調査や統計などの客観的データなどを利用して行います。
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2 ターゲット設定
販促する商品の構成や販売価格、取り込みたいターゲットの位置関係から決めます。
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3 アプローチの決定
以上の調査により、販売促進を進める上での基本的な項目が決まったので、次にはこれに基づいておおまかな売上高の予測を行います。 販促の方法としては、チラシの配布、看板の掲示、DMの郵送、地域タウン紙への掲載など数多くの手法がありますが、自分のケースではどのような手法が最善かよく考えて決めましょう。